「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
 
れていくように、レヴィナスは、この<語ること>を導きの糸として、超越についての探求を進めていこうとするのである。
最後の引用文の「意味の意味すること」という表現は意味不明だが、動詞signifier(英語でsignify)には、表明するとか通告するといった意味もあるようなので、最初の「意味」という語については、こちらの意味で取った方が意味がわかりやすいような気がする。表明とか通告、つまり実際に相手に対して「言う」ということ。上のような意味での<語ること>は、まさにこれと同義なのである。
全体として、神に見られているという意識から超越について語るサルトルに対して、神に向かって語るという場面から超
[次のページ]
戻る   Point(1)