「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
能的な相手が側に(隣接して)いることを前提としている。つまり、<語ること>は、他人に対して、その近くにいる、ということを告げ知らせる性質のものなのである(なお、上の引用文中で「他人のため」と訳されている語は恐らくpourであるが、これは英語でforに当たる語で、〜のための、という意味と同時に、〜に対して、という意味を有している。また、「誓い(アンガジュマン)」と訳されている語は、動詞にするとengager、英語で言えばengageであり、約束する、保証するといった意味がある)。「まなざし」の場合と異なり、語るものはそれが誰かに聞かれることを自ら望み、その近くに立つ(隣接する)。そして後に述べられて
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)