The Muddy marines/詩集ただよう
した。理由も思い出せない。それだけ他愛のない瑣末なことだったんだろう。喧嘩ぐらい反抗期の少年にとってはいつものこと、別に大したことではない。ひとつだけいつもと違ったのは、母親からあんたなんか出て行きなさいと言われたこと。
その一分後、僕は何も持たずに寒い外にいた。悪いのは僕だと知っていた。僕は厚着をしなかったことだけ後悔した。平日に友達の家に泊まることはできないと思った少年に行くところはなかった。自転車で、塾帰りの友達が集まる本屋へと向かうほかになかった。そこにはクラスの友達もいた。なにをしてるのかと聞かれても、暇だったからと笑って言うことしかできなかった。皆は今から暖かい家に帰るんだ、そう思
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