「存在の彼方へ」を読んでみる/もぐもぐ
 


初めて読んだときは、苦痛以外の何ものでもなかったし、眩暈がした。何一つ主張は汲み取れなかった。

レヴィナスについて論じた入門書等を読んだところ、どうもレヴィナスの議論には、ハイデガーが深く関係しているらしい。また、時代的にも、フランスの哲学に対するヘーゲルやハイデガーの影響が圧倒的であった時代の哲学者である。第2段落の「思弁的弁証法」や「否定性」は、ヘーゲルの論理学冒頭における有名な叙述「無→有→成」の弁証法を指したもので、3段落目の議論は、存在者と区別される「存在」についての問いを哲学第一の問いとし、「言葉は存在の住処である」としたハイデガーの哲学を念頭に置いた論述であると思われる。
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