「存在の彼方へ」を読んでみる/もぐもぐ
 
の我執を保存する限りにおいて、戦争の場合と本質的にはなんら変わらないものと考える。
この認識はある意味極端なものであると私は思うが、理屈上は、理性によって構築された平和は、理性がそれを崩すことを要求する場合には崩されうる、ということになり、その平和が永続するものではありえないというのは一応納得がいくところでもある。(生きることが戦いであるのなら、暴力にせよ、取引にせよ、何らかの形で人々は常に争い続けるのだ。)
とにかく、レヴィナスは、取引も戦争も本質上は同じものである、という極限的なレベルでものを考えている。



現実の政治や経済に関する考察を一切省略して、先行する哲学、形而上学の言
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