「存在の彼方へ」を読んでみる/もぐもぐ
 
、闘争を中止するような取引を行う方が合理的であることに気づくはずである、というような見方をしていた。
しかし、レヴィナスは、このような立場についてやや辛辣なコメントを加えている。
「とはいえ、存在することへの固執、内存在性の我執がこの譲歩によって抹消されるわけではない。内存在性がいま強いられた譲歩は、必ずや未来において相殺されるからだ」「超越はまがいものの超越でしかなく、平和はぐらついている。平和は諸存在の利害の言いなりである」(p24-25)
「交易は戦争よりも善きものであるという理由で、<平和>のうちには<善>がすでに君臨しているという理由で、戦争における存在することと平和における存在す
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