「存在の彼方へ」を読んでみる/もぐもぐ
のでもない。様々な利害関心を抱いている私たちのこの生そのものが、自動的に戦争に繋がるというのである。
尤も、レヴィナスは「戦争」という言葉を、所謂国家間戦争よりはもう少し抽象化された意味で用いており、普通に思い浮かべる「戦争」とは、述べられていることはやや異なっていると思われる。後ろで、ホッブズの「万人の万人に対する闘争」といった言葉が出てきていることから、ホッブズ的な「闘争」という言葉が踏まえられていることが分かる。イメージとしては、「生存競争」とか、「暴力による闘争一般」といったような意味合いであるのだろうか。(「生きることは戦いである」と置き換えてみると、イメージが湧くかも知れない。)
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