「存在の彼方へ」を読んでみる/もぐもぐ
00ページもの大著を読み通すことは到底出来なかったに違いない。ところが、ここで、その理論哲学的な事態が、一気に戦争という現実具体的な事態に結び付けられた。一体存在についての抽象的な問いが、この後この戦争という事態との関係でどのように展開していくのか、この事態をどのように解きほぐしていくのか、私は知りたくなった。それがこの苦痛な、理解しがたい著作を、繰り返し私に読ませる原動力になっている。
この戦争についての叙述は、ここでは僅か3ページほどしか続かないのだが、そこでのレヴィナスの思考はある意味かなり過激である。
そもそも、先の「存在=戦争」という定式化は、文字通り取れば極論以外の何もので
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