回覧車?/ブライアン
 
名古屋から豊橋に向かう途中の小さな街だった。何よりも高く、観覧車はそびえ立っていた。その観覧車は、遊園地にある類のものではない。突如、街にそびえる類のものだった。入り口付近には、一人の老いた男が箒を手に観覧車を見上げる。初々しい地元のカップルがその老いた男に話しかける。一人100円だよ、と、男性は言った。笑顔で老いた男性は操縦室に向かった。カップルの女の子はうれしそうに男の子の手を引く。男の子のほうはあまり乗り気ではない様だった。キーという機械音が響く。老いた男は、二人に向かって、その扉を開いて入りなさい、と優しく声をかける。男の子は淡々と席に着いた。徐々に観覧車は昇り始める。窓から見える景色に特
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