八月の絶唱/飛鳥 彰
 
むらさきの羽根ひろげ
揚羽蝶のごとく風をおこせよ



短歌 「恋歌にのせて」


都賀川に足をひたして
トロンボーン
吹く早乙女は技術(わざ)を磨きおり


夜もすがら君がみ胸に耳添えて
聴いておりたや
波打つ鼓動を


星月夜 
更けてゆく秋の窓辺にて
ふみ読む君のなんとうるわし


虫の鳴く秋の夜長に
面影を抱いてしのぶのは
花の盛りと


秋の夜半 
虫の恋歌聞きおれば
我に湧き出る恋の調べよ


君が声 しじまに聞こゆる
あけぼのの
明星 凛と 独り燃ゆれば


寝もやらず歌よむ我の
思慕ふかし
秀麗無垢の君
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