八月の絶唱/飛鳥 彰
 
恋せよ乙女なら
サンブラ色して街を染めてゆけ


サンブラのイエローひかる
薔薇ひとつ
ゆたかに髪を束ねていろよ


花閉じて
ダブルデライトつつましく
朝を待つかな貴公子然と


ふくいくと空に身を焼く
アルフォンスドーデの花は
飛鳥美人か


カクテルと
名づけられたる薔薇の花
空飛ぶ蝶の狂いみだれて


はなびらを閉じて何待つ
サマンサは身を焦がしつつ
憂いあふれる


サマンサと呼ばれて振り向く
キミひとり夏を留めて
恋はバラ色


ふちどりを
紅く染めける薔薇のひと
髪結いキミの恋は迷宮


美しきダブルデライ
[次のページ]
戻る   Point(1)