八月の絶唱/飛鳥 彰
 
ライト
いま此処に書を読むキミと
かさね見るかも


わが園に紅き貝殻あるゆえに
海のとどろき
胸に響かす


薔薇一輪
内部に隠れしものあれども
身を乗りだして外にあらわる


つる薔薇のアンジェラ愛おし
恋よせて祝祭のうた
キミに届けと


てのひらをひろげて待つのは
日の光
わが身に降るのをアンジェラ祈らん


ツル薔薇の
真白き帆影みるごとく
サマースノーとひとに歌われ


夏の雪
降るためしなどあるのかな
実(げ)にも眩しく薔薇は咲くかも


アリスなら不思議の国へ
つづく道ここに求むか
ニコールさざめく


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