八月の絶唱/飛鳥 彰
 

祝祭のうたを奏でて
花嵐 狂いて咲ける
ひと夏の恋


いつみても
微笑み絶やさぬキミのごとく
天空に昇り 雨と降(くだ)らん


空中に
泉の湧くが如くして
花あるキミの歌は豊饒(ゆたか)に



短歌 「津軽の思い出」


イエローの才媛のキミ
現れて檸檬(れもん)のごとき
香り振りまく


思い出す
少年のころの十五歳
檸檬片手に詩をひねりつつ


キミが好き
と打ち明けしひと 数あれども
わたしも好きと応うる人なき


さみしさと悲しさを超え
詩をうたうわれは十六歳(じゅうろく)
学舎(まなびや
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