八月の絶唱/飛鳥 彰
 
たかに咲くやキミ
夏の嵐に磨かれておりぬ


あわじろく光をあびて
夏のキミ 吹きよす微風(かぜ)に
髪を揺らしつ


貴婦人の
こうべを飾るかんむりに
劣らず光る花のかんむり


しなやかに天空に伸びる
キミなれば歌わずにおれぬ
夏空めがけて


たおやかに
枝をしならせ咲く花の
枝垂れ桜に色のまさるよ


キミも見よ 我も見るからと
匂い嗅ぐ
花の乳房に顔を埋めて


かにかくに
美しかりけりサルスベリ
天よりくだる羽衣のごとく


ともだちよ キミも来て見よサルスベリ
のどけからまし
手弱女(たおやめ)の花



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