八月の絶唱/飛鳥 彰
板
傍目には紳士と見ゆれども
労働で鍛えしからだ
胸板厚し
避暑地にて
キミが味わえしフルーツ茶
一度は飲んでみたくなりたり
白髪も笑顔もやさし
彼の人の
八ヶ岳の店 林のなかに
八ヶ岳倶楽部のテラスに
木洩れ日をうけて書を読む
ロッキングチェア
食後には
日射しさえぎる林ゆく
そぞろ歩きに花と蝶になり
短歌 「八月の絶唱」
夢に見し
かつてのキミに会うがごと
胸にとどろく海は夕焼け
朝をゆく我を呼び止め
会釈する朝練のキミ
萌ゆる百日紅(はな)の顔
サルスベリ
かくもゆたか
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)