一行詩集「夏収め」/明楽
スファルトで終わる蝉 運びに来る蟻 自然の摂理
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回しきった発条が一気に戻る勢いで過ぎ行く夏時間
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ヒグラシ響く境内で囚われの魂ごとくに浮かぶ虫取り網の白き影
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ラムネの泡は夢の種 弾けて真夏の夜に咲く
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草の褥に横たわり こころは天の川にて遊泳中
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蛍の光にくちづけて縁を結ぶ 夢路の導に解き放つ
四
白く翻るスカートの裾に麦藁帽子の初恋じゃれて夏休み
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夕立で透けた君のTシャツをじっと見る こころまで透けるはずないけれど
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瞬間燃焼 真夏の恋は一夏性
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