この夏は/高杉芹香
いた自分の運命を ただそれだけの運命が どれだけ 自由と平和に満たされていたのかを感じた。
振り返れば、家族連れが3人で散歩していて、長崎にも平和が訪れていた。
優しい日曜の陽の光が家族連れを包んでいて、その様子を見ていても、はらはらと涙が止まらなかった。
あたしの母は昭和21年。戦後すぐに生まれた。
団塊世代と呼ばれる彼女から生まれた私は団塊ジュニアと呼ばれる。
あたしはばあちゃんっ子で。
母さんの仕事が終わるまで、小さい頃はいつもばあちゃんの家にいた。
ばあちゃんちにいると、おやつはお菓子じゃなかったし、ジュースも飲めなかった記憶がある。
ば
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