染めてくれない - dye scarlet over white –/橘柑司
 
はなしてよ」
「でも、ウィルやユウジのに比べたら、まだサトシの方が現実的だよね。崖や途中接触無しに落ちられる高い所なんて、普通の任務ではいかないよ」
「おい、リュウ。お前さ、そんな夢のないこと言うなよな」
ユウジはなかなか面白いことを言う。
「ところで、貴方はどういうものがいいのですか」
ウィルが僕に話を向けた。
「僕は、電話ボックスの中がいいかな。電話ボックスの中で、銃で撃たれるのがいい。銃で撃たれて、身体にしろ頭にしろ、弾が僕を貫通して、後のガラスも抜けるんだ。そして、ボックス内には血がうるさすぎない程度に飛んで、ガラスには蜘蛛の巣模様ができて。それはきっと、綺麗だと思う。まあ、相
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