染めてくれない - dye scarlet over white –/橘柑司
、相手の銃の性能と、電話ボックスが今はほとんど無いっていうのが難点だけどね」
へえ、とユウジが頷いた。
「さっちゃん、これだよ。お前はこういう発想を身につけるべきだ」
僕はカクテルに口をつけた。その赤いカクテルは、ユウジの言うとおり甘くて濃い、フルーティなものだった。
翌日、三人はそれぞれの目的地に旅立っていった。僕はホテルを変えてもう一泊し、そして北の国へと飛んだ。空港から電車に乗って二時間の街で、目的の人物と接触し、会社に報告した。仕事に関しては、とてもスムーズに運んだ。予定よりも一時間早く終わったくらいだ。しかし、今朝から降り続いていたという雪が強くなり、積雪量も増したために交
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