ヒミツ/小原あき
読んでしまった
一番上のヒミツには
わたしに隠れてこっそりお菓子を食べてしまったこと
二番目のヒミツには
会社の若い女の子で一人気になるコがいること
三番目のヒミツには
小学生の時、ねりけしを万引きしたこと
四番目のヒミツには
本当は本屋になりたいという夢
わたしはそうやって
誰かのヒミツを
今までに何度も見てきた
小さな頃は
それがイケナイことだとは知らずに
見つけた限り
読みあさった
父の書斎の本棚に
実は父と祖母は血が繋がっていないという
衝撃的なヒミツを読んだ時は
これでおしまいに
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