ヒミツ/小原あき
 
暇つぶしに読んでいた夫の漫画本に
ヒミツが挟まっていた
それはちょうど主人公が
携帯電話のメールを確認している場面で
お札と同じくらいの紙切れだった
(本当のお札だったら良かったのにな)
枚数を数えた
あんなに開放的な人なのに
こんなにもヒミツがあるなんて
夫婦になってもわからないことなんて
本当にたくさんあるんだと思った
夫婦は所詮
二人でひとつでも
繋がっている部分はすべてではないんだ


見てはイケナイ
数十枚はあるだろうヒミツを
同じページにしまおうとしたけど
なんだか気になって
気になって
気になって
気になって
上から四枚のヒミツを
読ん
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