給水制限の朝(Mr. チャボ、正義と友情と愛とナントカと)/角田寿星
欠席の返信を出したことを思い出す
みじかい祝電を送った ほんとは行きたかったんだ
ほんとだよ
軽トラックを調達してきた戦闘員A氏があらわれる
「チャボさんは大丈夫だったんですね」
と 流れる汗も拭わずにA氏
ああ ぼくは試作品だから おかげでいつも腹ぺこだけど
軽トラの荷台にはポリバケツが山と積まれてて
きっとあちこち駆けずり回ってかき集めたんだろう
「さ ぐずぐずしてられません 行きましょう」
ながい沈黙があって ぼくはうなずく
「はやく 水を」
水源地へ突っ走る軽トラック
運転席に戦闘員A氏 助手席にぼく
「ぐーるぐーる ぐーるぐーる」
荷台ではサボテ
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