給水制限の朝(Mr. チャボ、正義と友情と愛とナントカと)/角田寿星
ボテン男が
ポリバケツの山といっしょに揺れている
「昔を…思い出しますね」
うん… 戦闘員A氏はマスクの下で苦笑い
ぼくは外の景色をながめるふりをする
この後に起きたこと ぼくらがしたことを
ぼくはここに書くことはできない
戦闘員A氏とかたく抱きしめ合って
サボテン男の肩をポンとたたいて
かわいた朝のなかを
無言のまま
家路についた
喉はからからで
セミがみんみん鳴いてて
バイトを休んだ言い訳をあれこれ考えながら
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