友だちと別れたことのある人に/hachico
あかあかと燃える火の下 己等の生を絡める弔いの夜
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それはあなたと南の島へ行った時のこと。
それは三年越しに果たされた約束で、
約束した当時はまさか、二人きりで行くことになるなんて、夢にも思わなかった。
砂浜へ降りる道で、湿った砂に足を滑らせる私に
あなたが振り向いて手を差し伸べることはなく。
ただ立ち止まって黙って肩を貸してくれましたね。
私はそのままあなたの背中に抱きつくことも出来ましたが、
その様子を想像するだけで、実行には移しませんでした。
三年前に期待していたような色と
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