ソーダ水にまぎれる夏の日とは/たにがわR
近付いている
ごめん、君との約束はもしかしたら守れないかもしれない
どれだけ待ってくれるのかな
雨が降りそうだ
いや、降ってきた
間に合わないね、ごめん、な
手紙をかばんに入れておけばよかったけど
もう、いいや
もともと力を入れすぎて
くしゃくしゃとなっていたんだ
宛名を書いたインクに雨が濡れて滲む
いつも、そうだね
小学校の運動会では
いつもスタートから出遅れていたんだ
なぜか運動会なんてものは
うっとおしいぐらいに太陽がまぶしくて
スタートするときのドキドキを
流れる汗がさらに狂わせてしまう
そんな記憶が
まぎれもなく僕だった
それからも僕だ
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