詩人の墓/亜樹
 
授業で書いた短歌や俳句は、自信作だったが、クラスメートによる投票では一つも票が入らなかった。賞を貰った作品は、俵万智と狂歌をあわせたような、ひどく単調でくだらない代物だった。先生は「亜樹のはちょっと難しいな」と言った。それから私は書くのをやめた。


褒められないからやめたのだろうか。
認められたいから書いていたのだろうか。
それはやっぱり、詩人ではない。



高校に入ってからも、私は書かなかった。
やっぱり誰も詩なんて書いていない。
行事や何かで書かされたときには、皆が好きそうな、先生が気に入りそうな、当たり障りのないものを書いた。それは褒められた。賞も貰った。嬉しかった
[次のページ]
戻る   Point(5)