詩人の墓/亜樹
 
思ったことは、一度もない。
ずっとずっと昔は、もしかしたらそんなことを考えていたのかも知れないが、小学校6年生のとき、私はそうした甘えを棄てた。
それは私の書いた詩が県でちょっとした賞を貰ったときだったかも知れないし、金子みすゞの全集を借りてきて、食い入るように読んでいたときだったかも知れない。
けれども、それは確かに私が小学校6年生のときだった。
父が言った。
「それでは生活できんよ」と。
父は小学校6年生の娘が、すわ詩人になりたいと馬鹿げたことを言い出すのではないかと、先手を打ったのだ。
シビアな親だった。
けれど、そのシビアさに対抗するような情熱をもたなかった私は、「飯の種に
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