静かな生活/udegeuneru
 
男は水筒の水を半分飲み、残りの半分を犬に飲ませた

男は岩の上であぐらをかいて胸を突き出した
しばらく遠くの風景をみた後、目をつぶった
10分ほど経って、犬がくしゃみをした
男は目を開け、ひと呼吸おいて立ち上がった


まばらに杉が生えている急な斜面を一気に駆け下りた
木をかわしながら、また時折手をひっかけて方向転換に利用する
数メートル先の地面を見て、足を踏み込む場所を決めていく
犬は後ろ脚の筋肉をバネのように使い倒木を飛び越えた

そのままの勢いでふもとの家まで稜線を走り抜けた
呼吸を整えると物置小屋から猟銃を取り出した
犬はまた地面に伏していた

正座から立
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