循環/狩心
 
はどうもしねぇけども
天地が揺らいだ気がした
肋骨に触られた気がした
そっと口付けされた気がした

爪を噛んで迷う
指を食い千切って決断する
おれの手にはおれの心を
宿した罪の深き事を
おれの血には誰かの心が
宿された事の震えを
体中が毛羽立つ
燃える野原の楽園
灰の中に落ちた死の感動
進むべき機械樹の道
炎の中で骨だけでダンス
何か分かる前に体は表現する
愛された記憶や
愛した記憶
拭う事の出来ない
血生臭い過去の残像
知らない誰かを殺した
それがどうした
殺さなければおまえが殺されてたんだぞ
そうだけども
人を切断した時に
何かが通り過ぎた
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