Emの視界/ムラコシゴウ
地域振興券。
地位、鬼神、貢献。
Emはひとりでほくそ笑む。
Emはオレンジの電車に乗って終点まで眠り続ける。
タクシー代は八千円。
見限られた子どもたちを、Emは迎え入れる。
王女様は護衛の者を巻いて逃げ出した。
ビートニクス。
昼下がりの倦怠。
それでも街は相変わらずうずき続けて、
Emはいつも喉が渇いている。
オレンジの電車がまた遅れている。色調の調整が必要なEmの視界。
サクラの花びらに巻き込まれて、Emは昼間から酔い始める。
希望だか絶望だか区別できない諸事情。
三すくみ
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