忘れていくための、/山中 烏流
待ち合わせの丘
日だまり色のカーテン
この窓辺で
私は、煌めきながら
そよ風に
なるのだと思う
そして
空白にも似た
意識の海で、泳ぐ
その姿は
目にした時に初めて
私になるのだと
思う
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忘れかけた記憶の
おもちゃ箱の隅は
いつだって
パンドラの箱のような
装いだった
お気に入りから
順番にしまっていく、過程
最後に残るものは
いつも決まって
要らないもの、なのだと
そのときから、
知って
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待ち合わせの丘に
俯せで
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