忘れていくための、/山中 烏流
せで沈む頃、
太陽は
いつも決まって
おやすみの直前だった
私は
知っていたのだと思う
目を閉じたあと
明滅する光の筋が
流星であることを
本当は
知っていたのだと、
思う
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例えばの話
無重力に任せて
漂い続けた、として
そこで見るものは
どこまでが
本当なんだろう
ね、
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雲の隙間から
誰かの左手が
私を呼んでいたこと
そこに
意味は無いのだと思う
同じように、
私が
誰かの右手を
欲しがっていること
そこにも
意味は、無いのだと
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