マンタレイの夜/mizu K
つかわっていくよ
鳥が空にずっと
とどまれないのとおんなじように
*
そしてくらいワンルームにひとり
ディスプレイが青い
マンタレイをはなしたわたし
マウスから手をはなし
フローリングにねっころひろがり
ひんやりの感触は
マンタレイの背に
似ており
彼女のあたまをなでながら
彼女の体温がすこしずつ
うばわれていくのを
なんにもできないで
呆然としていた
わたしはもう
彼女のあたまをなでることしか
できない
花のような血だまりを正視
できない
わたしの目はゆあらんゆあらんして
耳はぐあらんぐあらん
彼女はひとことだけ
にゃあ
といっても
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