「 かいり。 」/PULL.
 
敷いた。頭の中が、からだじゅうが真っ赤にぐるぐるして、眼の前のかいりが、愛おしくて腹立たしくてあたしは、混乱していた。
 あたしは言った。
「あなた何を考えているの。何が欲しいの。」
 口の中が渇いていた。ざらざらとしたことばがあたしの中を、さらに赤く、した。


三。

「それを言わせたいわけ。言ったらあなた、叶えてくれるの。」
「…。」
「こんなところに住まわせて、食事も服も仕事も、みんなあなたの与えてくれたもの。何も要求せず、何も求めてこない。どうしたいの、訊きたいのはわたしの方よ。欲情しているくせに、わたしとふたりでこの部屋にいるだけで、からだじゅうでわたしに欲情してい
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