ピース、ストロボ/
高田夙児
落ちたのか
わからないまま
それでも真夜中
自販機の前でピースを買う
二百八十円
おつりの二十円はいつでもおいたまま
誰の手に握り締められるのか
考えて 道を歩く
点火/点火
ピースの短い間の煙
私は眼を瞑り
呼吸をしている
かざした両手は
色褪せない
ライターはいつか点火する
それを待とうか、
なんて心地よく考えもしながら
*オマケのお菓子
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