失われていく題名/秋津一二三
のみが摂理
海にすまわぬ者のため
彼は海辺に立っている
「防人の海」
洞穴には空洞がある
逆行は終を望む
光は背 いずれとどかぬ
「空洞への船出」
どれほど言葉を尽くしても
それはあなたにとってそうなのだろう と
微笑むのは 無限
「盲人と」
たどって つたって
しかし僕は避けると良い
いまこのときを遊びけれ
「ん。」
五体満足で欠けている
大切なものは些細なこと
で失われていくから いといとおしい
「健康不良児」
結果には勝てない
事実でじゅうぶん
望ましい答えにならないなら要らない
「心も技も体も」
粋か伊達かは存じませぬ
あたしは一対でありま
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