天神鬼悪霊狂/狩心
 
じょろじょろという音 天井をボーっと見詰めながら 「 あ あ あ 」
小便が出た
小便が出た
寒い廊下 誰も起きてない子供の闇の夜 確かに一人で怯えていた
顔の見えない得体の知れない背の高いローブの悪霊に 狂っていた 乗り移る
硝子の窓が割れる音 隣の土の壁 ざらついた皮膚のよう
建物と建物の小さな隙間に挟まれるようにして落下する 湿ったティッシュの群れ
増殖する 雨の音と一緒に 階段を上る 目的地は便所 下半身が生まれた 叫びの便所の中

気を失ったら朝
温かい布団を除けて 窓から差し込む光が頬を愛撫する
一瞬の思考の後 始まりだと着替えを始める 古い上半身を脱ぎ去る

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