延長戦と境界線/ブライアン
小さなバス停の中で一夜を過ごす。昨日が過ぎ、今日を迎えた。昨日までは今日だったものが置き去りにされる。だが、今日は今日だった。そのことに触れるものは誰一人いない。
今日は昨日と似ている。
だが、似ているものは同じだというわけではなかった。昨日までは走れた体が、今日は動かなかった。動かないからだ。痛みがあった。痛みを得たのだから、動けるわけはなかった。人が動く理由はおそらく、欠如のためだ。痛みにより満たされたのならば、おそらくそこから一歩も動くことはできなくなる。
なぜならば、痛いからだ。
午後10時30分。三年ぶりくらいの知人と会った。
昨日、この店では会えず、明日もこ
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