延長戦と境界線/ブライアン
のものは求めていなかった。
ひたちなか市まで残り20キロ弱。日が山に隠れる。目標は何の延長にあるのだろうか。現在の延長だろうか。それとも過去の延長だろうか。ただ、延長していく現在進行形の果てに目標はあった。
そうだ、目標はさらに延長する。
ガラス張りの店内に向かい合う。二つ出されたメニューから、前菜を一人一つづつ注文する。手元のビールを口に運ぶ。会話はそれほどなかった。重要なことはそういったものではなかった。手持ち無沙汰にもう一度ビールを口に運ぶ。手のひらを見る。そして、少しばかりたわいもないことを話す。
今日が終わるまで、あと3時間だった。店内は次第に騒がしくなる。
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