純粋正義への架橋9/チャオ
琶湖であったり。それらを想像してもらいたい。
それらがどんなに美しくとも、闇の中では見えないのだ。それが真の姿であり、そのものがもっとも真摯な状態であっても。
そして、詩人は夜を愛する。
闇は、深く、深く、物を真実へと導く。それは人さえも同じだ。だが、そのとき描かれた真実の姿は、光を当てたとき、どのような色彩であるのかが分からない。真実の色彩の可能性は、この世の光によって価値を定められる。
残念なことに、闇の中で描かれた物は、偶然を期待するほかないのだ。その色彩が鮮やかで美しいものであることを願って、かといって、自分自身に嘘をつくようなこともなく描くのだ。
知識は、安易に「美しいもの
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