純粋正義への架橋9/チャオ
 
もの」を規定してしまう。それを模写することは簡単な行為だ。だが、それは、真実を描いているのではなく、色彩を描いているに過ぎない。それらは、「光」に媚を売り、色彩を鮮やかに美しく装飾しているののに過ぎない。それらは、最も浅いところで競い合い、決定的な傷さえもつかない戦いをしているのに過ぎない。それらは、自分自身を隠し、真実と向き合うことから逃げていることに過ぎない。それらには、意味はなく、虚像であり、光はその実態を映すことはない。

人に受け入れられることを望みながら、人に媚を売ることが出来ない。それが、芸術家であろう。
ヴィンセント・ギャロは芸術をこう定めた。

「芸術とは、この世に利用価値を持たないものだ」と

闇の中で花を咲かせることが出来るものだけが、芸術家である。
それが、美しい色彩を帯びていなくとも、その花は真実であり、それ以上にも、以下にも意味を含みはしない。

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