ニヤっとね/紫音
 
結局空っぽの上に羽織るだけ



同じこと

言葉を纏う


私の言葉

私の詩


それはまるで墓標のよう

死に行く言葉

死に逝く私


終極に向かい生きていることは

死にゆくことと同じ


それでも墓標は綴られる

綴られ続ける


それは

死に続けながら生きている

ただそれだけの理由



私は死なない

空っぽだから


中には何も無い

だから墓標を綴る

せめてもの

痕跡として



何も無いことは

何でも在ることだか
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