「 モドキストP.の独白その一。陽気なおちんちんと射精モドキと父モドキ。或いはぼくのニンゲンモドキ宣.../PULL.
 
して扱われ、カブレどもが、まだニンゲンがニンゲンであることも知らずこのチ球が象によって支えられていた悠久の時代から脈々とこの島国に受け継がれてきたという「倣わし」、に則った祭祀によって、弔われた、それはどこか空々しいもので、白けた空から降り出した雨さえもが雨モドキだった、雨モドキに打たれ、眼から涙モドキを流しながらぼくは、父モドキの死を想い出していた、あれは死ではなく死モドキだとカブレどもは言う、今上モドキスト、セイジの奴隷であるぼくは、カブレどものことばに頷き、顔色を窺い、虚ろな沈黙の海で「はい」と「いいえ」の波間を漂流する、筏モドキだ。
 だが父モドキは確かに死んだのだ。なぜなら父モドキはぼ
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