ランプとジャンクション/雨を乞う
けた砂の感触で気分が洗われる。砂漠のような街、矮さく巨きな街、うねるバックミュージックの下には澱んだ河が流れてる、君に全部あげるよ。
ハイウェイで振り切った概念とか意味は粉微塵で、追突を繰り返したら何になるんだろう、それはなんとなく僕らの費やしてきた進化の綻びから飛び出た突起に似ている。環を描いて廻るふたりの始まっては戻ってきてしまう爪あとが光って消える涙もよう、窓を濡らさずにガラスだけが曇る。右耳で追った世界の中心にそびえる塔が昨日と同じように燃えては、0が並んだら消える。指で×と描いて、どこへでも行けるふりばかり。
まばたきの合図で見逃してしまったもの、僕は知らないから許された
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