ピンク色のコンドーム/快晴
 
ゴミ箱の中にはピンク色のコンドーム
先端の方には濁った白い液体
朝起きて一番最初に目に付いた物が
そんな物であることに僕は小さく舌打ちをする
隣であどけない顔で無防備に寝ている女と
昨夜の彼女のSEXの最中の顔を思い出し
その距離を埋めようと試みる

とりあえず僕は立ち上がり
洗面所で昨夜のキスを洗い落とす
洗い落としたのはキスだけか…
鏡にはもう見飽きた男の顔が映し出され
その後ろには当たり前の様な顔をして
「今日」という名の日常が横たわる

使い古された黒いテーブルの上には
抗欝剤やら睡眠薬などの薬の
空のケースが散らばっている
それらを僕はかき集めると

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