湿原尖/瓜田タカヤ
物は水遊びを楽しみ生命の意味をいっそ話す
毎日意志を疑い意識を指輪やどもりや名の知らぬ花でたぐる華
奢な反射板
大好きな樹液を長いストローで吸うコノハチョウの雌が
葉に卵を植え付ける
幼虫は鈴虫草の葉を食べて育つ
羽化が原始を彩り濡れたカラダが銀を飛散し
人を蹴っても鋭利な痛覚しかほどけて消滅しない
暗闇の部屋でテレビを見ていると
画面に映し出されるオーロラが本物よりも美しい
感動に心が揺さぶられないが
本物よりも美しい
膨張の紙風船がノスタルジックな夕日であることを気にかけ
入滅は胎盤を食べる動物を視認する事から葉包む
すでにいないと思っていた母親が不
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