そして、光/わら
 
そこには、なにもなく
乾いた造形が押しひろげられているばかりです


13、14くらいの頃から
未来には、己をおとしめる得体の知れぬノルマと
それをどうやり過ごすかという
重苦しい怯えが横たわっていました
そして、この世界にうずまく現実に
思考は我を失いかけていました
日曜日の昼下がりには
泥に塗りこめられたようにベッドに沈みこんでいたこと
自分のうでをながめ、これはなんだ、とつぶやいていたことを
いまだに記憶しております
己が肉であることも、ろくに認知できていなかったのです

中学受験を強いられ
どういうわけか、名門と呼ばれる学校に入学しました
ですが、私は、
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