そして、光/わら
 
は、ときに、ひらがなさえ読めなくなることがありました
ちょうど、それくらいの歳の頃
己の、その強迫観念、精神の内情を
父に告白したことがあります
その嫌悪と、一身の期待を裏切られたような、失望にゆがんだ顔を
今も忘れられません
その眼を前にして、私は、己を異物だと悟りました
そして、それをひた隠すことを誓いました
夕日が赤く、射しこんでいました



10年あまりが過ぎました

今日も、わたしは、びくびくしています
日曜日は、居場所のない空気に押し潰されそうになります
死にすがりたい思いがもたげてきます
未来は絶望感と鬱屈に腐りそうになっています
衣服の繊維が首
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