セキュリティ・ロック。/榊 慧
熱、か、零、か。ぬるいこれは俺の惰性を延長させて、無意味な苦悩ともよべない幼稚な感情で、蝕んでいく。極端な方が、好みなのに。
絵は、良い。俺はその世界の支配者のように、その世界に一人しかいない。邪魔なやつは、いなくなる。本も、絵画も、音楽も。俺にとっては自分の世界を満たして広げて補って。紛らわしてくれる。違うところに引き込まれる。そういったことが出来るのは、昼間ではなく、夜しか今俺には出来ないのだけれど。ごく当たり前のことが出来ない、適応できないもののことを、病と呼ぶんじゃ、なかったのか?
死にたい、ではなくて。死んでしまえたらと、考えたことは結構多い。仮に俺がいなくなったとしても、世界は何か
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)