『かくれんぼ』/東雲 李葉
 
神さまに与えられた特別な権利を持て余しながら、
風に身を任せ流れるままに言葉を紡ぐ。
星の瞬きを数えながら隣にいれた日々を、
今でも僕は忘れちゃいないよ。

あっという間の太陽は子供の時代を追い越して。
砂場には作りかけのお山だけが取り残された。

忘れないで。君を想ってた僕がいたこと。
見つけないで。今更君に逢わせる顔なんて無いから。
いつまでも続いたあの日僕ら始めたかくれんぼ。
次の鬼は君であってほしくないんだ。



本当は大人達が僕らに与えた猶予を、
今の僕は意味無く浪費してしまうんだ。
ベッドの下に散らばったたくさんの夢や昨日も、
明日には跡形もなく消
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